大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和36(オ)647 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人春原源太郎の上告理由第一点について。

上告人が被上告人B1より昭和二七年一月頃被上告会社B2燃料株式会社発行の

全株式を金一〇〇万円で買受くる契約は、成立するに至らなかつた旨の原判示認定

は、原判決挙示の証拠に照らして首肯できないことはない。従つて、原判決には所

論判断遺脱の違法はない。また、記録によれば、所論禁反言法則違反の主張は、上

告人が原審において主張したものとは認められず、従つて、原判決もこれについて

判断を加えていない新たな主張であつて、原判決には所論違法は認められない。所

論は、ひつきよう原審の適法にした証拠の取捨判断、事実認定を非難するか、独自

の見解に立つて原判決を非難するか、または原審において主張しない新たな主張を

当審においてなすに帰し、すべて採るを得ない。

同第二点について。

本件記緑に徴するに、被上告人らは本件契約の締結を否認し、右契約の当事者は

上告人と被上告会社であつたが、右契約自体未完成である旨主張していることは明

らかであり、原判決がこれに対し、右契約の当事者は上告人と被上告人B1個人で

あるけれども、契約自体が未だ成立していなかつた旨認定していることも明らかで

ある。従つて、被上告人らが右契約の成立を認めて争わなかつたとのことを前提と

して主張する所論は、その前提を欠くものであり、原判決には所論違法はなく、論

旨は採るを得ない。

同第三点について。

本件譲渡契約の不成立に関する原判決の認定について所論違法の点の認められな

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いことは、第一点について説示したとおりである。また裁判上の自白は当事者の訴

訟行為としての陳述でなければならないのであつて、当事者本人尋問において自己

に不利益な事実が真実であると供述した場合であつても、これは自白とならないと

解するを相当とする。しからば、仮りに被上告人が当事者本人尋問において所論の

ような自己に不利益な事実を供述したとしても、本件契約の成立は証拠上認められ

ない旨判示した原判決には違法のかどはなく、従つて、その他の所論違法の主張も

認むるに由ない。論旨は採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 朔 郎

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